Budget Analysis · 令和8年度(最新)

令和8年度 予算
19年ぶりの減少

令和8年度の三郷市一般会計予算は 617億5,000万円
前年度比 △1.2%(▲7億5,000万円)で、19年ぶりに減少に転じました。
このページではその内訳と意味を、公式予算書の数字で解説します。

2026年5月公開 三郷市議会議員 鈴木優作 出典: 三郷市公式予算書
令和8年度 一般会計予算
617.5億円
前年度比 △1.2%(▲7.5億円)
市民1人あたり
約44.1万円/年
毎月 約3.7万円
スクロール

Overview

予算の全体像

令和8年度予算 ― 一般会計と特別会計

令和8年度 一般会計予算
617.5億円
617億5,000万円(令和8年3月議会で可決)
前年度比 △1.2%
令和7年度 一般会計予算
625億円
625億円(過去最高・18年連続増)
19年ぶりに、予算が減りました

三郷市の一般会計予算は 平成20年度から18年連続で増加し、令和7年度は過去最高の625億円に達していました。
令和8年度は 617.5億円(△1.2%) となり、19年ぶりに減少。
背景には、令和7年度に集中した大型整備事業(南部地域防災コミュニティ施設の建設費等)が令和8年度には縮小したことなどがあります。一方で、福祉系の特別会計(介護保険+5.6%、後期高齢者医療+15.5%)は引き続き増。一般会計の減少が、市民サービスの後退につながらないか注視が必要です。

イメージしてみると
617.5億円ってどのくらい?

617.5億円は、新築の一戸建て住宅(約4,000万円)に換算すると約1.5万軒分

あるいは、ららぽーと級の大型ショッピングモール約6施設分に相当する規模です。

これだけの規模のお金が、令和8年度1年間で、私たち14万人の市民の暮らしを支えるために使われます。

All Accounts

全会計の総額

一般会計・特別会計・公営企業会計を合わせると

一般会計
617.5億円
+
特別会計(4会計)
278.7億円
=
合計
896.2億円

一般会計(617.5億円)に、目的別の特別会計(国民健康保険 129.1億・介護保険 122.1億・後期高齢者医療 27.4億)を加えると 896.2億円。これとは別に上水道事業特別会計(収益的支出 31.4億)と公共下水道事業特別会計(収益的支出 31.7億)もあり、市の財政全体は約 1,000億円規模です。
特別会計は 前年度比 +4.3% で、一般会計が減る一方で福祉関連の負担は増え続けています。

Expenditure

何に使われている?

令和8年度 一般会計 歳出の内訳(款別)

民生費(福祉・子育て・介護) 50.6%
約312.5億円
社会福祉127.7億・児童福祉129.4億・生活保護55.4億・災害救助0.06億
総務費(市役所運営) 12.5%
約77.0億円
総務管理63.9億・徴税6.9億・戸籍住民基本4.2億・選挙1.4億・その他
教育費(学校・文化) 10.1%
約62.4億円
教育総務6.3億・小学校23.2億・中学校6.9億・幼稚園0.2億・社会教育5.4億・保健体育20.4億
公債費(借金の返済) 8.6%
約53.0億円
市が過去に借りた地方債(市債)の元利返済金
土木費(道路・まちづくり) 7.2%
約44.2億円
土木管理1.1億・道路橋りょう9.9億・河川6.5億・都市計画26.3億・住宅0.3億
衛生費(保健・ごみ・上水道) 6.6%
約40.5億円
保健衛生15.5億・清掃20.5億・上水道4.5億
消防費 3.0%
約18.3億円
広域消防組合分担金、消防施設・車両整備など
その他(議会費・労働費・農林・商工・予備費等) 1.6%
約9.7億円
議会費3.2億・労働費0.7億・農林水産業1.6億・商工費3.5億・諸支出金0.2億・予備費0.5億
民生費が初めて「半分」を超えました

令和8年度は 民生費が歳出の50.6%(312.5億円)と、初めて50%を超えました。令和6年度決算時点では47.2%、令和7年度予算で48%台、そして令和8年度は 50.6%。少子化対策・障がい者支援・高齢者福祉のニーズ増に加え、令和7年度末で県補助が廃止された民間保育所等の障害児保育事業を市が引き受けることなど、構造的な要因が複合しています。
「市の予算の半分以上が福祉」という現実をどう設計し直すかが、これからの議論の中心テーマです。

Per Capita

あなたの負担額は?

市民1人あたりに換算すると(人口約14万人ベース)

市民1人あたりの年間支出
約44.1万円
毎月 約3.7万円があなたの暮らしに使われています
福祉・子育て
約22.3万円
市役所運営
約5.5万円
教育・文化
約4.5万円
借金返済(公債費)
約3.8万円
道路・まちづくり
約3.2万円
保健・ごみ・水道
約2.9万円
消防・防災
約1.3万円
その他
約0.7万円

Key Projects

注目の予算項目

令和8年度の主要事業(公式「主要事業一覧」より)

継続
南部地域防災コミュニティ施設整備
4.45億円

令和8年度の開館に向け施設整備工事と防災体験学習設備の製作を進める。施設名称は 「みんなの防災プラザみさと」として3月議会に上程。VR体験設備や2階のコミュニティホール、避難施設機能を備える(敷地2,846㎡・延床2,175㎡)。所管:危機管理防災課

継続
三郷中央駅前広場の再整備(まちなかウォーカブル)
4.08億円

三郷中央駅前広場の整備と併せ、周辺区域 約28haを対象に「三郷市の顔にふさわしい景観と機能」を整備。所管:都市デザイン課

拡充
市施設長寿命化(北部図書館改修等)
4.05億円

公共施設等総合管理計画に基づく長寿命化改修。令和8年度は 北部図書館の大規模改修工事、健康福祉会館昇降機改修・早稲田児童センター大規模改修の設計業務を実施。所管:市有財産管理課

継続
小学校校舎改修(彦成小・丹後小)
9.18億円

彦成小学校・丹後小学校の屋上防水や外壁塗装等の改修工事。所管:教育総務課

拡充
鷹野学校給食センター厨房機器更新
8.73億円

劣化している蒸気式全自動煮炊釜・蒸気回転釜の更新。給食提供を止めずに改修するため工程設計が複雑。所管:学務課

拡充
小中学校GIGAスクール ネットワーク機器更新
4.78億円

小学校2.14億・中学校1.07億の機器購入+関連で、インターネット環境向上のためネットワーク機器を更新。GIGAスクール構想の維持コストが見え始めた事業。所管:指導課

拡充
鷹野文化センター大規模改修
1.77億円

公共施設等総合管理計画に基づく長寿命化改修。工事期間は令和9年1月〜令和10年1月(予定)。所管:市民活動支援課

拡充
陸上競技場 公園照明灯LED化
7,900万円

三郷市陸上競技場公園の照明灯をLEDに改修。所管:スポーツ振興課

新規
マイナンバーカード フロントヤード改革
1,448万円

イトーヨーカドー三郷店にマイナンバーカード業務対応窓口を試行的に設置。市民の生活動線の中で「ついでに」必要な行政手続きができるサービス体制を構築。所管:市民課

拡充
妊産婦健康診査(1か月児健診助成増額)
1.13億円

1か月児健康診査の助成費用を 4,000円 → 6,000円 に増額。所管:こども家庭センター

拡充
産後ケア事業(訪問型開始)
747万円

①自宅を訪問して行う 【訪問型】を新規開始
②産後4か月未満から 産後1年以内の母子に対象を拡大
③サービス維持のため委託料・自己負担額を増額。所管:こども家庭センター

新規
こども誰でも通園制度(公立2園で開始)
504万円

公立2保育所(高州・早稲田)で、生後6か月〜満3歳未満で保育所に通っていないこどもの受け入れ体制を整備。広域利用者への給付費支払いも実施。所管:すこやか課

新規
保育所安全管理(見守りカメラ・オートロック試行)
1,160万円

公立保育所1か所に、①見守りカメラ(保育室内外の録画)②門のオートロック機能を試行的に設置。所管:すこやか課

新規
大場川上流域 治水対策(県との連携検討)
400万円

大場川上流排水機場増強による効果を検証し、県と市の連携事業としての位置付けを検討する。所管:河川課

拡充
民間保育所 障害児保育(県補助廃止に伴う市拡充)
障害児保育補助 拡充

県の障害児保育事業補助金が 令和7年度末に廃止されるため、民間保育施設等の障がい児受入れを維持するため市が拡充・補助。所管:すこやか課

他にも陸上競技場LED化、ねんりんピック準備、消防車両更新、上下水道耐震化など 全24件の主要事業があります。

Reserves

市の貯金(基金)

最新公開:令和6年度末の基金残高(令和7年度末は決算後に更新予定)

基金名 残高
財政調整基金 約38.8億円
減債基金 約11.6億円
介護保険給付費支払基金 約7.6億円
三郷インターA地区等公共施設整備基金 約2.7億円
常磐新線対策基金 約1.3億円
国民健康保険財政調整基金 約0.9億円
公共施設整備基金 約0.7億円
議員の視点
財政調整基金は「市の貯金箱」

財政調整基金は、災害や急な支出に備えるいわば市の貯金箱です。残高は約38.8億円(令和6年度末時点・最新公開)で、年間予算617.5億円と比べると約6%程度

一般的に財政調整基金は標準財政規模の10%以上が望ましいとされます。今後の災害リスクや物価高騰、令和8年度の予算減少局面を考えると、さらなる積立ての検討も必要です。

Financial Health

財政の健全性

三郷市の財政状況をチェック

経常収支比率(R5年度)
97.7%
要注意

毎月の収入で毎月の支出をまかなえている割合。100%に近いほど財政の余裕が少ない状態です。

経常収支比率(R6年度)
100.7%
注意が必要

100%を超えると、経常的な収入だけでは経常的な支出をまかなえない状態です。

財政調整基金残高
38.8億円
やや不足

災害時などの緊急対応に備える貯蓄。年間予算の約6%にとどまっています。

前年度比
△1.2%
19年ぶり減

令和8年度は、平成20年度から続いた18年連続の予算増がストップ。減少要因を見極め、市民サービスへの影響を注視する必要があります。

令和8年度は予算規模こそ減少しましたが、財政の体質が改善したわけではありません。
歳出の効率化歳入の確保、そして基金の積立て
この3つのバランスが、19年連続増ストップ後の最重要テーマです。

Accounts

会計の全体像

一般会計のほかにも、目的別の「特別会計」があります

一般会計と特別会計の違い

一般会計は、市の基本的な行政サービス全般に使われるお金です。税金を主な財源として、福祉・教育・道路整備などに使います。

特別会計は、保険料など特定の収入を特定の目的だけに使うために、別枠で管理しているお金です。保険制度の透明性を確保するために分けて管理しています。

Take Action

予算に関心を持つことが
まちを変える第一歩

予算は議会で審議され、議員の賛否によって決まります。
あなたの声が、予算の使い方を変える力になります。