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5分でわかる行政のIT

なぜ市役所では
デジタル化の
ハードルが高いの?

「AIは?クラウドは?オンライン申請は?」
進まない理由と、変わりつつある未来を解説します。

2026年2月8日公開 三郷市議会議員 鈴木優作
スクロール

Question

こんな疑問、
ありませんか?

民間企業はAIをバンバン使ってるのに、なんで役所は使わないの?

オンライン申請、もっと増やせないの?

市役所の職員さん、テレワークできないの?

実は、これにはちゃんとした理由があるんです。
そして今、その仕組みが大きく変わろうとしています

Section 1

答え:セキュリティのため

あなたの個人情報を守るための「壁」があります

市役所には、私たちの住所・家族構成・収入・マイナンバーなど、たくさんの個人情報があります。

もし外部に漏れたら大問題ですよね。

だから行政のネットワークは、インターネットから完全に切り離されているんです。

イメージしてください
🏠 役所のパソコンは「ネットに繋がってない別世界」

私たちが普段使うパソコンは、GoogleやYouTube、ChatGPTに自由にアクセスできますよね。

でも役所のパソコンは、そもそもインターネットに繋がっていないんです。別の専用ネットワークで動いています。

だからChatGPTも使えないし、普通のクラウドサービスも使えない。これが今の行政のIT環境です。

📚 専門用語では「三層分離」と呼びます

この仕組みには「三層分離(さんそうぶんり)」という名前がついています。

2015年に日本年金機構で125万件もの個人情報が漏洩する事件がありました。これをきっかけに、全国の自治体で導入された仕組みです。

セキュリティは大幅に向上しましたが、便利さを犠牲にしている面もあるのです。

Section 2

3つに分かれた世界

行政のネットワークはこうなっています

三層分離のイメージ図
🌐
マイナンバー系
マイナンバーを扱う最重要システム。完全に外部と遮断
🚧 高い壁(アクセス不可)
💼
LGWAN系(行政専用)
住民記録・税・福祉など日常業務。行政専用ネットワーク
🚧 高い壁(アクセス不可)
📧
インターネット系
メール・Web閲覧・クラウドサービスなど
たとえて言うと...
🏠 3つの建物が完全に分かれている状態

三層分離は、「インターネットの建物」「業務の建物」「マイナンバーの建物」が完全に分かれていて、行き来できないイメージです。

泥棒(ウイルス)が「インターネットの建物」に侵入しても、「業務の建物」には物理的に入れない。だから安全なのです。

⚠️ 三層分離の課題

安全性は高いけど、不便な点も...

• インターネット上のクラウドサービス(Google、Microsoft等)が使いにくい
• ChatGPTなどのAIツールを業務に活用しづらい
• テレワークが難しい(役所に行かないと仕事ができない)
• データのやり取りに手間がかかる(USBやCD-Rで移動させることも)

Section 3

これからどうなる?

国は新しい仕組みへの移行を目指しています

📢 国の方針が変わりました

2024年5月、国が「この不便な仕組みを変えよう」と発表しました。

2029〜2030年頃を目標に、全国の自治体で新しいセキュリティの仕組みに移行する方針です。

その新しい仕組みの名前が「ゼロトラスト」です。

🔐 ゼロトラストって何?

簡単に言うと、「壁で守る」から「常にチェックして守る」に変わるということ。

今までは「インターネットと切り離されているから安全」でした。

これからは「誰がアクセスしても、毎回本人確認をするから安全」になります。

ゼロトラストのイメージ図
🛡️ 常に確認
👤
誰がアクセス?
(本人確認)
💻
どの端末から?
(機器の確認)
📊
何にアクセス?
(権限の確認)
たとえて言うと...
🏢 すべてのドアに警備員がいる状態

ゼロトラストは、建物の入口だけでなく、すべてのドアに警備員がいて、その都度「誰ですか?」「何の用ですか?」と確認するイメージです。

一度入ったからといって自由に動き回れるわけではなく、行く先々で身分証を見せる必要があります。面倒に見えますが、万が一不審者が入っても被害を最小限に抑えられます。

Section 4

ビフォーアフター

こんなに変わります

今まで
(〜2029年)
これから
(2030年〜)
クラウドサービス
使いにくい
自由に使える ✓
AI活用
制限あり
積極活用 ✓
テレワーク
難しい
柔軟に可能 ✓
セキュリティ
壁で守る
常時監視で守る ✓
働き方
役所中心
場所を選ばない ✓

Section 5

こんなことが実現できる!

ゼロトラストが実現すれば...

⚠️ 逆に言うと、今はできません

以下の例は、三層分離が続く限り実現が難しいものです。
だからこそ、ゼロトラストへの移行が重要なのです。

🤖
AIチャットボットが窓口対応
「ゴミの出し方は?」「転入届の手続きは?」24時間AIが回答。夜中でも休日でも、すぐに答えが分かります。
🗳️
選挙でタブレット投票
投票所でタブレットを使った電子投票が可能に。開票作業も大幅にスピードアップ。
📱
スマホで手続き完結
住民票の取得から各種届出まで、スマホ1つで完結。わざわざ役所に行く必要がなくなります。
🏥
医療・介護との連携
病院や介護施設とデータ連携。何度も同じ情報を書く手間がなくなり、より適切なサービスを受けられます。
🏠
災害時も行政機能を維持
職員がどこからでも働けるため、災害で庁舎が使えなくなっても行政サービスを継続できます。
💬
LINEで行政サービス
普段使っているLINEから、各種届出や問い合わせが可能に。専用アプリをインストールする必要もありません。
🚫 三層分離がある限り「絵に描いた餅」

他の自治体では、LINEでの住民票申請やAIチャットボットを導入しているところもあります。

しかし多くの場合、「問い合わせはできるけど、実際の手続きは結局窓口に来てもらう」という中途半端な状態です。

なぜなら、個人情報を扱うシステムがインターネットから切り離されているから。根本的にネットワーク構造を変えない限り、本当の意味でのDXは実現できません。

Section 6

三郷市はどうなの?

DX推進ビジョンとの関係

📋 三郷市DX推進ビジョン

三郷市も「三郷市DX推進ビジョン」を策定しています。

計画期間は令和12年度(2030年度)まで

ちょうど国のゼロトラスト移行目標(2029〜2030年)と同じ時期です。

🤔 ここで疑問

三郷市のDX推進ビジョンには、ゼロトラストへの移行という視点が含まれているのでしょうか?

いくら素晴らしいDXの目標を掲げても、ネットワークの根本的な構造が変わらなければ実現できないことがたくさんあります。

国の方針転換を踏まえ、三郷市も計画の見直しや追加検討が必要ではないでしょうか。

📢 【2026年3月 議会答弁で明らかに】

令和8年3月定例会の一般質問(鈴木優作)に対し、企画政策部長から以下の回答がありました。

• 三郷市では既にAI-OCR、音声テキスト化、文章要約、窓口自動翻訳などのAI技術を県内自治体との共同調達で導入済み

• 現在は三層分離に則り運用しつつ、工夫によりインターネットサービスも利用

• 今後は国の動きに合わせ、適切なネットワークシステムを計画的に構築していく方針

→ 一般質問の詳細を読む

三郷市のDX推進ビジョン(〜2030年度)と、国のゼロトラスト移行(2029〜2030年)の時期が重なる
ビジョン策定時(2024年頃)に、ゼロトラスト移行の方針は考慮されていたのか?
計画の途中で国の方針が大きく変わった場合、柔軟に対応できる体制はあるのか?
他の先進自治体に遅れを取らないよう、早期に検討を始める必要があるのでは?

Section 7

いつ変わる?

国が示すロードマップ

ゼロトラスト移行スケジュール
2015年
日本年金機構の情報漏洩事件を受け、三層分離を全国導入
2024年5月
デジタル庁が三層分離廃止・ゼロトラスト移行の方針を発表
2025年〜
先行自治体でゼロトラストの実証実験・段階的移行開始
2029〜2030年
全国の自治体でゼロトラストへの移行を目指す

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